その他

 

 西野流呼吸法の古参の方が電子出版された書籍をご紹介致します。

 

恵美しんすけ 著

呼吸法とともに生きる ←リンク

Amazon Kindle版(電子書籍)

139円(税込)

 

 同タイトルで西野流呼吸法総本部からも Kindle 版(全二冊)が出版されてますが、こちらの書籍は、ひとりの西野流呼吸法実践者の個人ブログの集大成です。昨年2023年7月末の上梓。著者の恵美しんすけさんが、旧西野塾に入塾されたのは、平成元年(1989年)の10月頃。数年間のお休みがあったり、海外滞在で行けなくなった時期もあって、とびとびのお稽古でもあったようですが、初筆からは足かけ30数年、西野流呼吸法を実践されています。過去、エピソードだけなら、他の方のブログでも見かけましたが、ひとりの個人が、西野流呼吸法を時系列で伝えた内容の発刊はなかったように思います。概要や目次は以下のご本人のブログにもありますのでご覧ください。

 

ココログ(ブログ)

ダンサーズイメージ ←リンク

小さな違いをつかまえる

恵美しんすけ

 

 恵美しんすけ著『呼吸法とともに生きる』を読まれた当会の方の感想です。──「気負いなく、傍観者的なタッチが好きになりました。懐かしくもありました」とのこと。”傍観者的なタッチ” とは、言い得て妙。西野先生を、神さま扱いの熱狂ではなく、この距離感はじつによろしい(人としての中心軸)。作者は … 「西野先生は ”生き本尊” みたいになってしまうので失礼だとは思いますが、あくまで思いつきなのでお許し願いたいと思います。… 申し訳ないので、お経がわりに、暇をみて華輪や天遊をやって、週に一度はお寺にお参りにうかがう」 というスタンスだったようです。「長く続けてこられた皆様は結局 ”西野先生が好きだから” というノリで稽古を続けていたように思う」とも書かれています。

 

 エピソードでは ──「西野塾に入って、最初にインパクトを受けるのは対気です」… 「すごい、という反応と、やらせだ。気味が悪いという否定的な反応とに、はっきり分かれます。… 前者のみが、感激しながら、あるいはいぶかしがりながらも、かなりの熱中度で対気を続けていくようです」 という感想も述べられています。 ”対気” の反応は本当に人さまざまで … 一人ひとりが個性的で、おかしく… そのような姿をわかちあい、笑いあって時がゆっくりとすぎていくようです … 」とも。初心者の方には参考になるかと思われます。

 

 「毎回となりに座ってる人が驚くほどよく眠ります。偶然のような気もしますが、…  ほとんど例外なく若い人のほうがよく眠るようです。… 私自身の体がより緩んできたのかもしれません」。あるいは、金粉が手に出たときの話もありました。… 「2ミリ x 1ミリ程度でしょうか。…  20年近くたった今でも、金色に輝いています。ですが金粉なのかはわかりません」。同様の現象は『BS呼吸法の会』のブログ 付録” の72番にも紹介されています。

 

 「前に走り出す人は新しい人。 … (昔は) すべて飛ばされるというスタンスで … 楽しいからと言って、自分から走ることなどあり得ないと思うし … 止まれるんだから、止まりましょう” といつも思ってた」と書かれています。そうした 対気” についての観察も興味深いものでした。「昔、先生から 後ろ走りするときは、膝を緩めて気を落とすと言われたせいで … 膝を緩めていくと、マットあたりで重心が下に落ちて、ちょうどよいのである」と考察されています。しかし、「指導員がわざと少し気を上の方ほうに誘導すると簡単に前に走れることがわかったのだった。 … どちらもあり ということがわかって良かった。前に走るのも悪くない 」とも書かれています。

 

 「ノリ」(感応力)のいい悪い、についても関心を示しておられます。「 この指導員が嫌いだから走らない” と思ったとたんに走らなくなります。それは、飛ぶのも、騒ぐのも同じです」…「飛ばす方が必ずしも、強くなければいけないということはない」…「 相手の気を感じたら下がってあげればいい” というところに気づいたからです」と。「身体を固くしたり、力を入れたりして、” 対気” も理解できないまま終わる人がとても多いようです 」とも述べられていました。そして、「 気が強くなった” という表現より身体がより緩んでいる” というほうが最近では、上達したという感じがあります」と。「激しく飛ばされた後での感想が丁寧さや優しさなのは、本当に不思議です …」とも書かれています。これも西野流呼吸法愉しさのひとつですね。良く読み込むことができる方には内容は深いです。

 

 「身体のなかに着実に、ゆっくりと、しっかりと沈殿していくもの。それがなんだかはっきりとしませんが、楽しく通いつめるうちに … 貯金するように” 残っていくのが実感できます」との指摘にも頷けます。何気ない偶然が重なる出会いがよくある、ということも書かれています。「偶然のちからは本当に強くて、そのような出会いは、いい意味で、その後を左右します」… 「 必要なものが向こうからやってくる” これも西野流呼吸法の醍醐味でしょうね」と。 西野流呼吸法実践者からは時々聞く話題ですね。西野流呼吸法の実践で「気」が巡る身体に変わると、その方本来の運勢も拓けるようです。

 

 本書の読後感としては ──「不思議なことはいくつかあって、西野先生の『 思議ではなく不思議” だから面白いんですよ』というような言葉が身にしみました」 … と書かれていたのが、印象に残ります。風景や花の写真にもホッとします。『ダンサーズイメージ /小さな違いをつかまえる』というブログの意味あいと、ご本人との関わりも、知りたかったところではあります(これも、中心軸)。/ I.H.記